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フルリーナ☆旅巡り美味めぐり

旅や取材で出逢った風景・エピソード・美味しいもの

車いすでヨーロッパ! 介護認定3の母とウィーンからミュンヘンへ

今週のお題「遠くへ行きたい」

昨年、要介護3の母を連れて初の車いす旅をしました。
旅の感動は母を元気にし母はその後車いすと在宅医療を卒業。
しかし、今年4月脳出血を起こし再び車いす生活へ。
それでもまた旅がしたいとリハビリを頑張って、だいぶ元気になってきました。

次回はコロナが終息した後、再来年の車いす90歳の旅を目指します。

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羽田空港 日付が変わった夜中便で出発。

飛行機はANAのWien早朝着の直行便で出発。予約時に車いすであることを知らせるとチェックインから搭乗までスタッフの方が付き添って案内してくれます。機内へは優先搭乗で一番先に。搭乗の時に自分の車いすを降り機内用の車いすに乗り換え、自分の車いすは貨物室へ。ウイーンで飛行機を降りるときは最後となり飛行機を降りるまでに貨物室から車いすを飛行機出口に用意してくれていました。ここでANAスタッフから現地スタッフにバトンタッチ。スタッフがウイーン市内へのホームまで案内していただきました。

オーストリア交通機関では、車いすの移動サービスのがあります。このサービスを受けるためには、こちらのサイトにある移動サービスに予約が必要です。こちらのフォームで乗る電車を知らせると、この電車は段差がないから自力で乗れます、この電車はリフトが必要なのでスタッフがお手伝いします、とお返事がきました。

https://translate.google.com/translate?sl=auto&tl=ja&u=https%3A%2F%2Fwww.oebb.at%2Fen%2Freiseplanung-services%2Fbarrierefrei-reisen


ウイーンは早朝着だったので、カフェでモーニング。石畳を車いすで押すのに少し苦労しましたが、それでも快適に観光。ウイーン市内の交通は車いすでも不便なく移動できました。また、多くの教会や美術館、カフェやレストランもバリアフリーに対応しています。バリアフリー対応のホテルや施設、現地ツアーなどはこちらに詳しく掲載されています。
https://www.wien.info/ja/travel-info/accessible-vienna

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シュテファン大聖堂も階段のところにはスロープが設置され、無事に見学できました。

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シュテファン大聖堂の近くの聖ペーター教会

こちらは聖ペーター教会。9世紀創立の教会で18世紀にバロック様式に改築されています。こちらもスロープがあります。

次なる目的地はメルク修道院。ウイーン西駅から乗り換えて世界遺産メルクへ。

ホームと電車に段差がないときには、車いすでも問題なく乗り込めるのでスタッフは来ません。ホームより電車の乗り口が高いときには、スタッフが車いす・ベビーカー・自転車の専用車両の前で待っているか、あらかじめ連絡があった場所でスタッフと待ち合わせます。

 

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車いす車両には電動リフトが内蔵されていて、ホームと車内の係員が車いすの昇降を行ってくれます。これは本当に便利でした。車いす専用車両はベビーカーや自転車もOK! 専用車両なので他の方々に気兼ねもせず、車いすでも安全に電車の旅が楽しめました。

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メルク修道院にて

メルク修道院は計画を立てるときに、階段が多くて車いすは無理かと思いましたが、問い合わせたら大丈夫ですとのこと。母も行きたがっていた場所なので、バッハウ渓谷と組み合わせて訪れることにしました。

 

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メルク修道院

修道院のチケット売り場で車いすである旨を伝えると、係の人が来てくれて一般の観光客は使わない社員通用口(?)のエレベーターで案内してくれました。オーストリアバロックの至宝と讃えられる修道院の主な見どころ、もちろん大理石の間も図書館も展望テラスも車いすで見ることができました。

修道院見学後は、メルクからはバッハウ渓谷クルーズで憧れの古城ホテル シュロスデュルンシュタインへ。

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バッハウ渓谷クルーズ

船の中にはレストランもあり、それほどお高くもなく、美しい景色を眺めながらお食事ができます。

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ボリュームがあるので私はグーラッシュスープ(スープにはパンが付いてきます)、母はゼンメル&ソーセージ、アイスクリームを2人で一つ食べました。

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アイスクリームは予想通り巨大だったので一つで正解。気軽なレストランなので、こんな頼み方をしても嫌な顔をされません。でも、もしこんな頼み方をするときは「あまりおなかがすいていないので」とか「私たち小食なので」と一言添えてオーダーするといいと思います。

そうこうしているうちにデュルンシュタインに到着。ホテルは船着き場の誓い入り口から階段を上っていくか、坂道を上ることになるので、到着したときにホテルへ電話。あらかじめ車椅子であることを伝え、船着きまでのお迎えを頼んでおきました。

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思ったよりもこじんまりしたお城でしたが、それがまた素敵。そしてテラスからのドナウ川の眺めが美しいのです!

 

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お部屋は中世の世界に迷い込んだようなアンティークなお部屋。

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ホテル デュルンシュタインのお部屋

バスルームにはピンクのすてきなバスローブがあってテンション上がりました!母と二人旅なので色気はカラっきりありませんが(笑)。

 

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この古城ホテルはちょっと面白い作りで、エレベーターの正面と反対側の両方に客室フロアがあります。

 

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館内のいたるところにアンティークな調度品があって、探索が楽しかったです。
また、ホテル内には素敵なエステサロンやプールもありました。

 

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ケーリンガー城跡

デルンシュタインでは、可愛らしい旧市街散策と、高台にそびえるケーリンガー城跡ではが見逃せません。町散策は母を車いすに乗せて、急な坂を30分近く登るので、こちらは母をホテルに残して一人散策。この町にはホテル シュロス デュルンシュタインのほか、もう一つの古城ホテルホテル リチャード ローレンハルツもあります。ぜひ一泊してドナウ川のロマンティックな景観と、バッハウ渓谷産の美味しいバッハウワインが彩るディナーを楽しんでもらいたい場所です。

 

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クレムスの町

デルンシュタインからはクレムス経由ザルツブルグへ。途中クレムスの町で散策でしました。クレムスは大きすぎず小さすぎず、ショッピングや散策にちょうどいい楽しい町です。こちらも車いすを押して散策し、お店も不自由なく入れました。スーパーではお手頃なお土産もゲット!

散策後クレムスから電車で(St. Pölten駅乗り換え)ザルツブルグへ。

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ザルツブルグは約20年ぶり。私は3度目、母は2度目の訪問です。お店の中は変わっているところもありましたが旧市街にたたずまいは昔のまま。なんとなくほっとします。でも今年起こったコロナ後は、こんな風にツアー客が3密状態で観光する情景は変わっていくのでしょうね。

 

ザルツブルグ旧市街散策の後は、今回の旅行の大きな目的、ホテルになったと聞いてからずっと泊まりたかったレオポルドスクロン城へ。サウンドオブミュージックの舞台となったホテルですが、それだけではなく、歴史の中で様々なドラマの舞台となり文化の発信地となってきた由緒ある宮殿です。

 

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この馬門を見ると、マリアの歌声とトラップ家の子供たちの偉い声が聞こえてくるようです。

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マリアと子供たちが遊んだ湖(池)

サウンドオブミュージックツアーでは、レオポルドスクロン城の庭園や家は見学できますが、宮殿内部は宿泊ゲストだけしか入れません。しかしこの内部が素晴らしいのです。この宮殿は、1736年、時のザルツブルグ大司教レオポルド・ A・ F・フォン フィルマン の邸宅として建てられ、華やかな歴史を紡ぎます。しかしやがて宮殿の所有者がしばしば変わり衰退。そして荒廃してしまった宮殿を救ったのが、ヨーロッパの有名な劇場監督であり、R・シュトラウスらと共にザルツブルグ音楽祭を創設したマックス・ラインハルト。ラインハルトが夢をつぎ込み、文化の発信地となった宮殿を、宿泊者は心行くまで楽しめます。

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場になる大理石の間

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豪華なウエルカムフルーツ


ホテルは、別館マイアーホフと宮殿があり、便利さを求めるならマイアーホフ、アンティークがお好きな方は宮殿がおすすめです。アンティークな本館ですが部屋もバスルームも素敵です。

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バスルームにバラの花

レオポルドスクロン宮殿の庭園、宮殿内部、マイアーホフの詳しい情報や写真、動画はこちらの記事に詳しく書いていますので、よかったらご覧ください。

www.travel.co.jp

 

ザルツブルグからはチロルのアッヘンゼーに向かいます。
もちろん蒸気機関車に載るのを楽しみにしていたのですが、なんと、何かのトラブルのためにこの日は運航休止、バスで湖畔まで向かってくださいとのこと。ショック!

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それでも、チロルの風景は美しく、気を取り直してバスの中からの車窓を楽しみました。この日の宿はペルティザウのトラベルチャーム フュルステンハウス。

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ペルティザウの眺めのいいホテル

船着き場を見下ろす、湖の眺めがベストのお宿です。
眺めだけではなく、サービス、クア施設、食事、どれをとっても素晴らしいお宿でした。

 

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ちょうど旅行が白アスパラの季節だったので、食べまくりました!白アスパラ。
5~6回は食べましたが、この宿で食べたアスパラが一番おいしかったです。

ペルティザウからはバスと電車BOBを乗り継いでテーゲルン湖へ。
ここで、我が家にホームステイに来て以来、15年以上家族ぐるみのお付き合いが続いているバイエルンっ子のエフィさんと待ち合わせ。約束の時間は夕方なので、とっても楽しみにしていた元修道院醸造所レストランで昼食!

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食事の後は、車いすを押して湖のほとりと、町の中を散策。ここはミュンヘンからもほど近く、ミュンヘンっ子に人気のリゾート地だそうです。前回彼女たちに連れて行ってもらったヴァルベルグ山もここから近い距離。ヴァルベルグもとっても素敵だったので農地ご紹介しますね。この後エフィさんご夫妻と再会したのですが、彼女たちがこっそりディナーを予約してくれていたのも、このレストラン(笑)。
でも、夜はレストラン内で食べたのですが、キャンドルの明かりが揺らめいて、とってもロマンティックでした。そして美味しかった!料理のボリュームとビールの大きさが半端なかったです!

 

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この日の宿は湖畔のゼーホテル・ポスト。

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素朴なお部屋ですが湖と山々の眺めが素晴らしく、さらに朝食さらにもすごくおいしかった!

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母も、旅の疲れも見せずにモリモリ食べています。
そしていよいよ旅の最終地、大好きなミュンヘンへ。

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ミュンヘン マリエン広場の仕掛け時計

私と母の旅は、ヨーロッパの旅の最後はエフィさんに会って、ミュンヘンから帰るというのが定番。彼女に会うという目的はもちろんですが、ヴィクトアリエン市場が大好きなんです。
この季節は密輸したくなっちゃうくらいおいしそうでお安い白アスパラが山積み!

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市場の5月~6月は白アスパラ!白アスパラ!

www.travel.co.jp

ミュンヘンから帰りたい理由のもう一つは、この記事の中でもご紹介した、パスタにかけると、パスタがグーンと美味しくなる魔法のようなスパイス。

 

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ミュンヘンに来たら外せない大好きなスパイスのお店

イタリア?イタリア系?の方のお店のようです。本場イタリアで、似たようなブレンドスパイスを買ったことが何度もあるけれど、このお店のスパイスが一番好きなのです。ドライトマトの粉末がスパイスに交じって入ってるので、ただ茹でただけのパスタに絡めても、トマトソースに入れてもおいしいのです。味見をさせてくれるので、もうこのお店の前を動けなくなっちゃいます。お土産と自分用に何時もいっぱい買って帰ってきました。それからべつのおみせですが、小さなはちみつ専門店の石鹸もお気に入りです!こちらも重いのについつい何個も買ってきてしまいます。

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ミュンヘンは何度も来ているので今回は観光はなし。ひたすら旧市街と市場の食べ歩きを楽しみました。そして夕方飛行場へ。ミュンヘンから飛行場も車いすでも困ることもなく到着。帰りはルフトハンザ便でしたが、こちらもチェックインの時から係の方が車いすを電動カートに乗せて出発ロビーまで連れて行ってくれました。さらに、この日は出発が大幅に遅れるということで、横になれるベッドのある車いす用の待合室さらに、で待たせてくれて、感謝感激。こんなにらくちんでいいのだろうかと(^^;)。

旅の度胸はいいほうだけど、車いすを押したことは数回しかなく、不安でいっぱいだった初の車いす旅行。たくさんの人に助けられながら、たくさんの方々の笑顔に励まされ、要介護3の86歳の母も無事に旅を楽しめました。

実はこの旅行で、母の腰の痛みは劇的に回復し、旅行の後半からは自分の足で少し歩けるようになりました。達成感や喜びを感じると、人間の脳は痛みを和らげる物質を出すそうで、痛みのコントロールで、そのような治療法を研究しているお医者さんもいるのだそうです。家に帰ってきて初の訪問診療の時には、以前の状態と別人のように元気になった母を見て、主治医も「奇跡ですね!」と拍手。

そして、こののち今年2010年、母は脳出血を起こし再び要介護状態に。でも、もう一度車いすで海外に行きたいとリハビリを続け、車いすから卒業しつつあります。今年はコロナが心配で海外には連れていけないので、米寿のお祝いでなく90歳のお祝いに元気でいてくれたらもう一度車いす海外旅行をしようね、と言っています。

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